導入事例CASE

株式会社オークネット様

フルクラウド化を機に運用監視をアウトソース、スカイ365の「SkyCoodle for AWS」を活用し開発リソースをビジネス価値創出のための開発に集中

中古四輪車、中古二輪車、花き(生花)、中古ブランド品、中古デジタル機器、中古医療機器等の企業向けオークションを運営する「オークネット」は、テラスカイグループでクラウドの運用支援サービス事業をおこなう「スカイ365」が提供するAWS運用監視サービス「SkyCoodle for AWS」を活用し、システムインフラの運用監視業務のアウトソースを進めている。同社では、業務やオークション運営を支えるITインフラの「フルクラウド化」を進めており、SkyCoodle for AWSの活用を通じて、その移行作業を加速すると同時に、ビジネス価値を高めるシステムづくりへのリソース投入を増加させていく計画だ。

インタビューINTERVIEW

オークネットが進める「フルクラウド化プロジェクト」

オークネットは、中古四輪車、中古二輪車、花き、中古ブランド品、中古デジタル機器、中古医療機器等の企業向けオークションを運営する企業だ。同社が1985年に開始した「中古車TVオークション」は、それまで中古車業界では当たり前だった「現物をバイヤーの目で直接確かめなければ取引はできない」という常識を覆した。

 

当時はまだ、インターネットの商用利用が始まっておらず、同社ではレーザーディスクに記録した出品カタログと、アナログの電話回線とを組み合わせてオークションシステムを構築。出品者と購入者の双方が、会場に足を運ばなくても取引に参加できるようにすることで、それまで業者の負担となっていた車両運搬費などの金銭的コスト、時間的コストの削減を実現した。この新しい中古車流通の仕組みは、オークネットがシステムだけでなく、商品情報の「信頼性」の担保も合わせて提供することで可能となった。

株式会社オークネット
インフラサービス部
インフラ・運用グループ
マネージャー
井上 雅也 氏


同社ではその後、オークションの取り扱い対象を、二輪車、花き、ブランド品、デジタル機器などへ広げながら、デジタル技術の進歩に合わせたシステムのアップデートにも継続的に取り組んできた。オークションを実現する通信基盤は、アナログ回線から、衛星回線、デジタル回線を経て、2000年代以降にインターネットへの本格的な転換が行われている。

同社の業務とオークションシステムを支えるシステム基盤は、当初オンプレミスで構築されていたが、近年は仮想化技術を活用したプライベートクラウド化を実施。さらに現在、システム基盤全体を、パブリッククラウド上へ移行する「フルクラウド化プロジェクト」を推進している。

「フルクラウド化プロジェクトは、ITインフラの構築や、その運用監視にかかるコストを削減すると同時に、社内スタッフの生産性を高め、ビジネスの俊敏性を高めることを目的としています。各事業によって進ちょく状況は異なりますが、2022年度中には100%のパブリッククラウド化を行うことが目標です」

そう話すのは、オークネットのインフラサービス部でインフラ・運用グループのマネージャーを務める井上雅也氏だ。このプロジェクトでは、パブリッククラウドであるAWSAmazon Web Services)への業務システム、オークションシステムの移行を段階的に進めている。

 

この「フルクラウド化プロジェクト」を加速し、クラウドから得られるメリットを最大化していくことを目的に、同社ではテラスカイのグループ企業であるスカイ365の「SkyCoodle for AWS」を活用し、運用監視のアウトソーシングを進めている。

社内の技術者が開発に専念できる業務環境づくりを目指す

SkyCoodle for AWS」は、スカイ365のプロフェッショナルスタッフがAWS環境に対する24時間365日対応の運用監視を、ユーザーに代わって実施するサービスだ。インフラシステムの障害や性能の監視に加え、障害発生時の一次切り分けや復旧対応、定期的なレポーティングといった内容に加え、主要データのバックアップ/リストア、ユーザーごとのユースケースに応じたシステムの運用監視、サービスデスク対応といった業務運用領域までをサポートする包括的なサービスである点が特長となっている。

 

今回、「フルクラウド化プロジェクト」を機に本格的なアウトソースへと踏み切ったのは、パブリッククラウドへの移行に伴うインフラの一元化が、運用監視スキームの標準化と自動化、およびアウトソースを同時に進めるための好機と捉えたためだ。

 

運用監視のアウトソース化に期待するメリットとして、井上氏は大きく「運用監視コストの削減」と「自社の開発リソースを、フルクラウド化やその後のDX推進に必要な開発領域へとより多く投入できる環境の実現」を挙げた。

 

「これまで、自社で開発してきた各種システムの運用監視は、主に自社内の各チームで行ってきました。オークション運営という事業の特性上、24時間365日での運用監視が必要で、業務の一部については夜間に行う必要もあり、その負担が大きいことが課題となっていました。特にフルクラウド化を進めるにあたって、オンプレミスのシステムをAWS上で稼働できるように作り替えたり、一部のオークションシステムを新規開発したりといったことが必要になり、社内のリソースを運用監視業務から解放し、より開発に専念できる状況を作りたいと考えていました」(井上氏)

対応のスピード感とコストメリットで「スカイ365」を選定

同社では運用監視の委託先として、複数のITベンダーを比較検討した。24時間365日での対応、同社独自のシステム状況に対応した監視運用要件、コスト等を見比べた結果、パートナーに選定されたのはスカイ365だった。

 

「スカイ365は、われわれが作成したRFP(提案依頼書)の範囲を網羅する運用監視サービスを提供していたと同時に、コスト面でも競争力がありました。当初は、テラスカイ経由で紹介をしてもらったのですが、実際の打合せには、スカイ365から実務を行うことになる担当者の方にも出席してもらえたため、技術的な内容についても話が早く、スピード感を持って仕事が進められるパートナーだという信頼感を持ちました」(井上氏)

 

スカイ365では、オークネットに対し、同社専任の担当者を割り当てるのではなく、スカイ365が複数社に提供しているAWS運用監視の仕組みとノウハウを活用する「シェア型」でのサービス利用を提案した。これによって、専任型と比較して、コスト面で大幅に有利に24時間365日対応の運用監視サービスを利用することが可能になっている。

 

オークネットのスカイ365への運用監視業務の移行は、2022年1月から本格的にスタートした。AWSへ既に移行しているシステムを中心に、手順書をベースとした作業の移行を段階的に行っている。オークネットでは、これまで担当者の目視や手作業で行っていた作業の自動化にも取り組みながら、徐々にアウトソースする運用監視業務の範囲を拡大している。特に、夜間に発生する作業を委託できるようになったことで、運用コストは大きく下げられているという。

 

「打合せ時の印象どおりで、非常にスピード感を持って移行を進められています。特に夜間作業のコスト削減が実現したのは、現時点で目に見えている大きなメリットのひとつです。作業については手順書を作り、それをスカイ365の担当者に説明して引き継いでいるのですが、手順書どおりに作業をすると工数が大きくなりすぎる部分については、それを自動化するような提案が、スカイ365側からもらえることもあります。これまで、運用監視は開発者が手探りでやっていたようなところがあるのですが、スカイ365がプロとして持っている、より効率的な手法やナレッジを、われわれに還元してもらえるのは有り難いです。この先、AWSの適用範囲が広がるにつれ、クラウドネイティブな新規のシステムを作る際にも、運用監視体制を考慮した要件定義や開発が可能になるだろうと考えています」(井上氏)

運用監視業務の比率を20%から5%へ削減し価値創出に注力

オークネットでは、運用監視のアウトソースによって、これまで自社開発チームが全体の20%ほどを費やしていた運用監視にかかるコストを、5%程度にまで削減することを目標としている。現在のペースで移行作業が進めば、この目標は十分に達成できると見込んでいる。

 

「当社のシステムは非常に多岐にわたりますが、今回の運用監視のアウトソースによって、そのフルクラウド化もさらに加速していくでしょう。AWSで稼働するシステムが増えるのに合わせ、運用監視の範囲も広げていきたいと考えています。スカイ365には、引き続きパートナーとして協力をお願いしたいと思っています」(井上氏)

オークネットでは、インフラのフルクラウド化に続く、同社のDX推進にあたっても、スカイ365による運用監視サービスから得られるメリットは大きいと考えているという。

 

24時間365日の運用監視が、業務運用を含む幅広い要件に対して依頼できるのがスカイ365の強みだと思います。これで余裕ができた自社の開発リソースを、現在進行中のフルクラウドプロジェクトから、さらにその先の、新たなビジネス価値を生みだすようなものづくりやシステム開発に、より多く投入していきたい。スカイ365は、その後ろ盾になってくれるだろうと期待しています。今後は、同様にAWSを利用してビジネスを展開しており、インフラの運用監視に課題を感じている関連企業などへの展開も考えられると思います。また、今回スカイ365を紹介してくれたテラスカイは、Salesforce関連のインテグレーションで実績の多いベンダーだと聞いています。当社でも営業部門で顧客管理にSalesforceを採用しており、デジタルマーケティングへの注力を強めています。そうした領域で、テラスカイグループと広範囲でお付き合いし、良いパートナーシップを築いていきたいです」(井上氏)

概念図

株式会社オークネット様

企業情報

社名 株式会社オークネット
会社ロゴ
株式会社オークネット様
URL https://www.aucnet.co.jp/
本社所在地 東京都港区北青山二丁目5番8号 青山OMスクエア
設立 1984年